きゅんの質問に答えてあげようのコーナー【別室】その2

カテゴリー │柳川「暇をつぶさない」

from 柳川

きゅんの質問に答えてあげようのコーナー【別室】その2
(写真は過去公演「瓦礫のヤマアラシ」より、あとの話題でちょろっと登場)



金曜日ですが何か?

どーも。柳川です。
7月中は伊藤・中西のコーナーに便乗する気まんまんの柳川です。


さて、今週の質問

台詞中の音の高低に関して、「今のは天才的だった…!」と思った活用事例を答えよ。



「観たヤツでもOK」ということであれば、これは1つ。

リリパット・アーミー第32回公演「白いメリーさん -人体模型の夜」で、小市慢太郎さん演じる主人公のB級オカルト記事専門のライターを精神的にいたぶる友人役(たしか野田晋一さん)が放ったセリフ

「だってお前バカなんだからよ」


…前後の会話の中で相手を蔑み弄ぶセリフを投げかけつつ、反論が入った瞬間に(あからさまではなく)ほんの少しだけトーンが下がって上記のセリフ。相手を精神的にいたぶる から 生きる気力を失わせてしまう致命的なものに変化したように感じられる。音としての高低よりも、周囲の温度がスッと下がるような一言が、VHSのビデオで見た時から20年以上経った今でも耳に残っています。



自身が演じたなかで「セリフのトーンや声量を意識的に変化させて何某かの効果を狙った」もので言えば、前回も例に出した「鳴砂スパイラル」で、主人公カサンドラに対する怒りを叫んだ後に、声量とトーンを落として一言「己が涙を汲むがいい」とセリフを放って退場…というのが自分史上もっとも劇的ですかね。「台詞のリズム」と「本気で怒りすぎて逆に冷静になる」みたいなことの表現を半々に意識してそうしたような...


次点は「瓦礫のヤマアラシ」で「結婚ですか」の一言に、外向き内向きの色んな感情、例えば驚きが表出して言葉につまった高めの音の「けっ…」、事態を飲み込みこむための低めの「あ。」を混ぜ込んで「けっ、あ。あ。けっ、あ。けっこ、あ…結婚...ですか」としたのが、自分でやってて楽しかったかなぁ。どちらかといえばお客さんにもギャグとして受け取られたように思いますが、本人としてはいたって真面目に演じた結果のアレだったと言い訳しておきます。


言葉と音の高低...てことでいえば、一般的に「建前」を話すときは声が高くなって「本音」を話すときは地声に近くなる…なんて話がありますね。
電話に出るときは声が高くなるみたいなやつ。
ただこれも、嘘をつくことに抵抗がない人や慣れている人(を演じる場合)は如実に表面には出さないでしょうし、逆に相手に「本音と思ってほしい」言葉を投げかけるときに利用する場合もあるでしょうから、どこまで表現するか、演技に取り入れるか悩むところです。下手をすると役者の自己満足と小細工としか伝わらない気もするし、なにもしないと平板になる気がする...あれこれ悩むのは苦し楽し。

なのでとりあえず盛り込んどいて演出任せのスタンスで。
責任逃れじゃないよ、演出を信頼してるんだよ、と嘘臭くこれまた言い訳しておきます。


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