絡繰機械's Diary

突然ですがこれは何でしょう。




この、舞台奥センターに吊られている、白いガチャガチャっとしたモビールみたいなやつ。

どうしても新入団員が欲しい。

劇団員が…欲しいんですよ…。
どうしたら良いのかな～って思ったんですけどね…。

カラクリさんのアスリート感を緩和しよう！と思いまして。

みんなね、「カラクリさんは身体動かせるから～」みたいなこと言ってくださいますけどね…私も身長高くて大きい声で喋る方だから「運動神経良さそう～」って言われますけどね…
私は昔から壊滅的に運動が出来なかったので、それを証明するために、
押入れの奥底から通知表を引っ張り出して来ました。






はい！上から中１・中２・中３！！
５段階評価で１か２しか取ったこと無いです！(悲しくなったので美術５を一緒に映すというささやかな反抗を試みました…)
５０ｍ走は１２秒かかります！
ボール投げは何故か下に叩きつけちゃうので４ｍしか飛びません！
持久走はずっとビリかビリ２でした！
あと私はね…走り幅跳びで伝説の記録30㎝を叩き出したことがあるんですよ…。

先生「ちょっと…そこ(砂場のフチ)に立って、普通に一歩、大きめに前に進んでみなさい」
私「 (進む)」
先生「70㎝。」
私「70㎝。」
先生「走って飛んだ時は？」
私「30㎝。」
先生「なんで？」
私「こっちが聞きてえ。」

みたいな！
(実際はこんな和やかな会話ではない)
私はね…体育辛かった話で５時間は酒が飲めますよ…。

カラクリの良い所は、理論的に説明してくれるところです。
体育の授業と違って、できないことがあると、
・何故できないのか
・どこに問題があるのか
・筋肉なのか
・心肺なのか
・身体の使い方なのか
・etc
超アドバイスを貰えます。
体育って本来こうあるべきなんじゃないのか…？体を育てる…。

「できないこと」そのものを責められたりしません。
「できないと言うこと」は怒られますが。(諦めちゃうと出来ないし、諦める必要が無いので)
ちょっとマシにはなる。
ちょっとずつマシにはなっていく。
それは、とても嬉しいことです。

そんな訳で「カラクリさん興味あるけど、でも運動がな～ついていけない気がする…」とかもし思ってくださる方が！もし！もしも！いたら！

嬉しい！！

違う。遠慮なくご連絡くださいませ。全身で喜びを表現しますんで。



冒頭がすんげー長くなっちゃいましたが、
そんな訳で本日は絡繰機械’ｓ第１５回公演『船弁慶』の美術を振り返ります～！

船弁慶

【公演詳細はこちら】
http://www.karakurimachines.com/contents/histories/15th

この美術はね…すんごい綺麗だったんですよ…そんでもって
すんんんんんんんごい大変だったんですよ…。


はい！こちら図面！





基本的には能舞台を作ってるんです。
(能舞台の基本構成はご検索ください～)

それを現代劇とのコラボと言うことで、ちょっと抽象的にした感じ…でしょうか。

元々野外で行われていた能舞台は、白洲ってのがあって、
周囲に白い玉石を敷き詰めてたそうです。
照明が太陽光しかないので、それを反射させるために白い玉石。
音をより反響させるために、舞台の床下には大きな甕を仕込む。

なんか…これ知った時に感動したんですよ…

頭が！良い！！

って思って…(大変頭の悪い発言)

とはいえ白い玉石は無理だったので、細かめの砂利にしました。
屋内だし我々には照明あるし。
その代わり、天井にアクリル板を仕込んで舞台床が反射して見えるようにして、
砂利を使って砂絵を描けるようになってます。



シーンごとに砂絵も描き直されていくの。
っていう演出をしてもらって大変美しい舞台に仕上がりましたありがとうございます…！



砂絵と言えば枯山水なので、良い感じに雰囲気のあるでかい石とかも配置してあります。



舞台に上がるときはちゃんと雪駄も脱ぎました。

最初の問題ですが。

これは万年橋のお花見イベントで「鵺」という演目時の写真です。
能舞台の背景は松。
鏡板、というそうです。日本語は美しいな。

この鏡板を参考にして、ランダムな長方形に切った発泡スチロールを松の葉が密集しているところには多く、それ以外のところも濃淡を出すようにバランスよく配置し、黒い紐で数珠つなぎに繋ぐ。
更にそれが１列だけでは立体感が出ないので、３列作って現場で吊る。
「松に見えるだろうか…？」と、不安に思いながらの製作でした。

能舞台がどんなのか知っている方なら、間違いなく松に見える。
知らない人には、なんだか分からないぐちゃっとしたものに見えるかもしれない。
それでもちゃんと美しければ、舞台の背景である限り、何かには見えます。
不思議と勝手に、何かには見えてくるはずです。
人間はそこにあるものになにか意味を見出そうとするらしいから。知らんけど。

大きすぎて、現場に入るまでちゃんと吊れなかったんです。
なので大変怖かった。



松。



まつ……



マ……ツ……？




気を紛らわせるために、隣でしれっと折れてた竹に見立てた構造物を直す私！！


グリッド上げたら再度折れたのでもう一回降ろし！


もはや両面テープが張り付かなくなったので竹と睨みあう私！
(この竹マジでふざけ倒せよって思った)



ちなみにこの祥子さんは何をしているのか！
全力なことしか分からないけどＨＰのメイキング写真の中にあった！！

え…こんなシーンあった…？全然思い出せない……。

そんな紆余曲折を経まして！！




……松……じゃね……？




照明着けて貰ったら…松じゃないですか…？
見えてきた！松に見えてきた！ほら！ほらあ！(もはや洗脳である)

別に見えなくても大丈夫なんですけどね。

「平家の骨を表現してんのかと思った(船弁慶なので)」
「風を表してんのかと思った(素材が軽くて常に揺れてたので)」

とか、色んな見え方をしてくれたみたいです。
それはとても楽しいことです。






照明がついて、音楽が入って、お能を舞う役者がいる舞台は、
間違いなく美しかったので、それで良い(はず)。
正解も間違いもない、抽象舞台の懐の深さが好きです。

しかしこの舞台作ってる時も本当に寝る時間なくてしんどかった記憶しかないんですけど、
写真で見るとやっぱり楽しそうなんですよね。




良い写真だなあ。

伊藤「祥子さんに質問をしよう！」

それではここで念のため、祥子さんが全力で答えてくれた解答に対して、
私がSNSでリツイートもしくはシェア時にしたコメントを確認致します。


―――問１(声の響かせ方)－――
祥子さんが問一の質問答えてくれたので、
嬉々として回答の映像を見ました～！
わざわざ動画で…超嬉しい～やっぱり優し
＿人人人人人人人＿
＞　分からねえ　＜
￣Y^Y^Y^Y^Y^Y￣

―――問２(長台詞)－――
わ～問２の「長台詞の分析とその表現」も答えてくれた～！
しかもより分かりやすいように私が書いた台本の台詞で…嬉しい～やっぱり優し
＿人人人人人人人人人＿
＞　また分からねえ　＜
￣Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y￣

―――問３(立位置の取り方)―――
中西による大喜利だと思うことにした。

―――問４(小賢しいテクニック)―――
そのテクニックは私には絶対使えないと思っているのでしょうが…
ところがどっこい私は今髪を！伸ばしている！(自粛の結果伸びただけである)
そんな訳で中西の全力の回答に応える為、私は秋公演までにブライアン・メイを目指します。

―――問５(役作りってなあに)―――
うっ…ぐっ…う…ううう…うぐぐう…(ぐうの音も出ない)


問６を無言リツイートしてしまった…
(問７はもう稽古場日記に書こうと思ってた)

どうですか…この…私の挫けない感…！
戸惑いから入り、これは大喜利だ！と悟った後の開き直り具合からの言葉にできない素直さですよ…可愛げがある…(ない)

いや、この解答…じわじわ来るでしょう…「くっ…挫けねえ…からな…！！」ってなるでしょう…
ふざけているように見せかけて全力で球を打ち返してくる祥子さんの心意気に応えなければならない…！！！！！

ちょっと…なぜ私が最終的にぐうの音も出なくなったのか早口で説明しますよ…。
オタク出身なので若干の気持ち悪さはご容赦願いたい。

だいたいね、忙しい中わざわざ動画撮ってYOUTUBEに上げてくれるって結構な手間ですよ。しかもあの何言ってんのか全然分かんねえのに信念をもって淡々と伝えようとしてくる面白さは写真や文字じゃ伝わらないんですよ。それで迷わず動画を撮ったうえ、なんですか、最後の、万年橋の響かせ方で一瞬後ろを指したのは、あれは笑いを取りに行ったでしょう！ずるい！笑いました！すごく！怒り褒めという新たなジャンルをここに確立します！

そして問２は謎の(ﾀﾀﾀﾉﾀ)とか擬音が入ってましたけどね…
あれは！恐ろしいことに！あの長台詞言ってた時の祥子さんの動きと完っ全に！完っ璧に一致してるんですよ！！(えっこわ…って思った)(良い意味で)
マジで…機会があったら映像でも何でもよいのでお観せしたい…マジで細かいニュアンスまで完全一致ですよ…凄まじいアハ体験…こわい…
あと単純にあれだけ膨大な数の(ﾀ)を打つ労力ね。人差し指しんじゃう。

でも！二つとも意味は全く分からない！！
なんで！？
これなんて体験！？

そして問３の大喜利に見せかけたシンプル且つ土台のしっかりした解答ですよ…。

ボーカルだから。

確かにバンドに置いてボーカルの立ち位置はそこしか無い…
これは…「立ち位置なんてその場の状況を正確に判断して最適な場所に行けば良いだけでしょ？何がそんなに難しいの？」と暗に言われているのでは…？(深読みを始める)

ここまできたらもうこっちは全力で答えてもらってる喜びでいっぱいですよ…
髪伸ばせば？知らんけど。みたいなニュアンスだったとしてもいっそ伸ばしますよ…
じゃあもう逆に伸ばしますからね！(# ﾟДﾟ)って言いたくなった…伊藤の反抗期…。

そしてもう問５で並んじゃってるもん。
月影先生と姫川亜弓と並んじゃってるもん。月影・姫川・中西の三竦みだもん。ガラスの仮面に出ちゃったもん。
ここで北島マヤを絶対に出さないセンスですよ…。
何を言わんとしているか考えちゃいますよね…世の中…努力…。

このね…問６のね…本当に瞬きしないんですよ。一切。
そしてカラクリの反省会って、結構な真剣さのなかで繰り広げられるんです。
大変真面目な雰囲気の中、「意図しないところで瞬きをしてしまったので、対策としてブルーベリーを摂取しようと思います」とものすごく真剣に言い出す看板女優を想像してくださいよ…笑うでしょう…空気を切り裂くように笑いますよ私は！！「何を仰っているのか」って思うもの！人間だもの！
(後日ランニング中に目の神社を発見しお参りまでしました)

そして問７なんてね、もう私が書いたときは、唯のオチとして付け加えたようなものをですよ、こんな完璧に答えつくした後に「幾らでも聞いてくれば？」と懐の深さまで見せつけてくるんですよ…くそう！全力で喜んでしまった！くそう！自分の単純さが憎い！！

……これ書いてて楽しいの私だけだな……？って思ったのでここで止めますよ……？(突然襲い来る不可解な不安)

滔々と問う。

全力で答えていただけるなら、こちらも全力で具体的に答えないとどうにもならないであろう質問をします！

問８、上手なマントの翻し方を教えてください。

(質問じゃなくてもうお願いになってしまった…)
いや…ほら…丈の長い衣装で、身分の高い役とか、軍人とか、ハケるときにバッサー翻してくじゃないですか。風を切って。余韻がある。あの余韻を身に着けたい。身に着けたい！(強い気持ちを添えておく)





そんな訳で私は体育１か２しか取ったこと無かったのに、カラクリに入ってこんなに綺麗なでんぐり返りが出来るようになりました。
ちょっと厳しいところもあるけど、結構楽しい劇団です。

はい！そんな訳で、今週も長々とお付き合いいただきありがとうございました～！